戦闘準備

あたりのそこかしこで陣地形成の指示を出す怒鳴り声やトモエの最終調整を行っている音が聞こえてくる。決戦の準備は着々と整いつつあった。

「今度こそ負けるわけにはいかないな」
FVBに根源種族の部隊が迫っているという情報を受け、詩歌藩国の戦闘部隊はわんわん帝国の合同軍としてFVBまでやってきていた。伊能もその一員であった。その伊能に自分が乗るトモエの整備をしていた鈴藤が話しかけてきた。
「いよいよだな」
「あぁ、そうだな」
「……勝てるかな、俺たち」
「そんな弱気でどうする。気持ちで負けてたら勝てるものも勝てなくなるぞ」
「でも、相手は根源種族だぜ?アラダもいるらしいし……」
「確かに私たちは一度、根源種族のアラダと戦闘を経験し、そしてなすすべなく敗北した。しかしあの時から、みんな必死に訓練してきたじゃないか。お前はその中でも人一倍努力していた。もっと自分に自信を持て」
「だよな、前とは違うんだもんな、俺たち!」
「あぁ、そうだ。今のお前ならもう目を見ただけで殺されるということはないだろう。小物は私たちに任せて、お前はアラダを倒すことだけに集中しろ。前回受けた借りにおつりをつけて返してやれ」
「そうですよ、俺たち精一杯フォローしますから!」
「根源種族に目に物見せてやりましょう!」
いつのまにかやってきた士具馬と須藤がこれに同調する。
「うぅ、みんなありがとう!元気出てきたよ。弱気になってちゃ森さんに嫌われちまうもんな。アラダがなんぼのもんじゃい!!」
「それでこそ鈴藤だ。全力を尽くしてがんばろう。」
「「「おう!!!」」」

決戦開始は刻々と迫っていた。

text by 伊能 誠人

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